ある物や空間について、思っていたより大きい、思っていたより小さい、と感じることがありま す。それは、その物や空間の「サイズ」のみによるのではなく、それを経験する身体の位置や視 点、また身体に記憶されているものや空間との関係の中で相対的に生まれる経験です。本展覧 会では、数値化することのできる「サイズ」に対し、関係性の中で伸縮する「スケール」に焦点を 当てます。 それぞれプロポーションの異なる7つの展示室で、当館所蔵作家による作品をご紹介します。 風景、空虚、音の響き、人の記憶、植物や無機物の持つ時間の流れ...作品が扱う世界は計測し 難く、尺度を切り替えるたびに別の姿を現すでしょう。身体の中で絶えず構築される複数のス ケールについて、考える機会となれば幸いです。